西洋において「医」の起源は古代ギリシアのヒポクラテスとされている。
その後古代ローマのガレノスがアリストテレスの哲学(学問の集大成)を踏まえ、
それまでの医療知識をまとめ、学問としての医学が確立されたと言われている。
ガレノスはその後、数百年ものあいだ権威とされた。
中世では、外科はキリスト教徒の職業とはみなされていなかった。病気は神の恵みであり、
医療は神への冒涜とされた。当時は理容師(英Barber surgeon:理容外科医とも言われた)
によって外科手術やまじない的な瀉血治療などが行われていて、これは学術的な医学が
発達するまで広く行われていた。このように、ヨーロッパにおいては、古代ギリシア等の
知識が継承されることなく、学問としての医学は低迷したが、これらの知識は、
イブン=スィーナーやイブン=ルシュドに代表される、イスラム世界において継承された。
ルネッサンス期に、これらイスラム世界における書籍が翻訳され、パドヴァ大学などで研究
され始めるにつれて、人体に対し(部分的ではあるが)実証的研究がはじまり(→実証主義)、
それまでの医学上の人体知識が徐々に否定されはじめ、近代科学としての医学が萌芽した。
日本では安土桃山時代に本格的な西洋医学が伝えられ始めたといわれていが幕末に蘭学ととも
に西洋医学書の翻訳などが行なわれ、明治維新後に漢方医学を廃し西洋医学を医学とした。
西洋医学の発祥の地はドイツとされている。
"西洋医学は実証的"というようなイメージだけは一般の人々の間で先行していたものの、
その実態としては、実は、個々の治療法の効果は統計的・科学的には十分に検証されないまま、
医師個人やグループがめいめいの少数の経験や「勘」で判断し、その怪しげとも言える知識が
師から弟子へと伝承されるような状況が長らく続いていた。が、近年(ほんの10年〜20年前)
になって、ようやく、本当の意味でのより厳密な実証を求めるエビデンスに基づく医療が
真正面から提唱され、この数年、次第に医学界に浸透しつつあり、標準的/望ましい
とされる治療法が一部で毎年少しずつ入れ替わるようになった
(つまり「エビデンスに基づく医療」という手法が実際に効果を挙げつつある)。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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